国の教育ローンの使い方|奨学金との違い・併用
2026年7月20日 ・ 教育費・制度

先に結論。国の教育ローン(日本政策金融公庫)は「親が借入・親が返済」の公的教育ローンで、子 1 人あたり原則 350 万円まで。世帯年収に上限あり(子 1 人で 790 万円等、子の数で変動)。奨学金は子借入・毎月受給と特性が異なり、初期費用は教育ローン・継続費用は奨学金といった使い分けが実務的です。
国の教育ローンの概要
正式名称と提供元
- 教育一般貸付
- 日本政策金融公庫(公的金融機関)
- 教育資金の公的ローン
主な特徴
- 親が借入・親が返済
- 一括融資(分割ではない)
- 子 1 人あたり原則 350 万円まで
- 世帯年収上限あり
- 金利が低め(近年 2〜3% 台)
借入限度額
- 原則 350 万円(子 1 人あたり)
- 450 万円まで(自宅外通学・大学院・海外留学等の要件)
- 複数の子でそれぞれ借入可能
世帯年収の上限
子どもの数により年収上限が変動(一般に紹介される数字、詳細は公庫公式):
| 子どもの数 | 年収上限 |
|---|---|
| 1 人 | 790 万円 |
| 2 人 | 890 万円 |
| 3 人 | 990 万円 |
| 4 人 | 1,090 万円 |
| 5 人 | 1,190 万円 |
世帯年収を超える場合は借入不可。ただし、以下の緩和条件あり:
- 一定の条件(勤続 3 年未満・自宅取得後 1〜5 年以内等)を満たす場合
- 母子・父子家庭
- 世帯年収 200 万円以下 等
使途
- 入学金・授業料
- 教材費・PC 購入費
- 一人暮らしの初期費用(アパート敷金礼金・家具家電)
- 通学費・在学中の生活費
- 受験費用(受験料・交通費・宿泊費)
幅広い教育関連費用に使えます。
金利と返済
金利
- 固定金利
- 近年の実績:2〜3% 台
- 家庭の状況で優遇金利あり(母子父子家庭等)
返済期間
- 原則 18 年以内
- 交通遺児・母子父子家庭は延長あり
- 元利均等返済
返済例
- 借入 350 万円 × 金利 2.5% × 15 年:月々約 24,000 円
- 借入 350 万円 × 金利 2.5% × 10 年:月々約 33,000 円
JASSO シミュレーターのような公庫のシミュレーターで正確な試算が可能。
奨学金との違い
| 項目 | 国の教育ローン | JASSO 奨学金 |
|---|---|---|
| 借入・返済主体 | 親 | 子 |
| 融資形態 | 一括 | 月々 |
| 上限 | 原則 350 万円 | 月額 12 万円× 貸与期間 |
| 金利 | 固定 2〜3% 台 | 第一種無利子、第二種 0.1〜0.5% |
| 返済開始 | 借入翌月から | 卒業後 6 か月後から |
| 世帯年収 | 上限あり | 上限あり(第一種)、緩め(第二種) |
| 用途 | 幅広い | 生活費・学費 |
併用の一般的なパターン
パターン1:初期費用は教育ローン、継続は奨学金
- 入学金・初年度学費:教育ローン一括
- 2 年目以降の生活費:奨学金月々
- 家計のキャッシュフローを保つ
パターン2:不足分を教育ローン追加
- 奨学金と貯蓄で足りない分
- 追加融資として教育ローン
パターン3:教育ローンのみ
- 奨学金対象外の場合
- 借入負担を親が担う方針
- 子の卒業後の返済負担を減らす
教育資金の準備
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申込みの流れ
事前の準備
- 必要書類(源泉徴収票・住民票・返済比率確認書類等)
- 見積書(大学の入学金・授業料等)
- 本人確認書類
申込方法
- インターネット申込
- 郵送申込
- 来店申込
審査
- 申込から融資まで 20〜30 日が目安
- 早めの申込が推奨
- 合格発表前でも予約申込可能
融資
- 口座振込
- 一括融資
民間の教育ローンとの比較
民間の教育ローン
- 各銀行が提供
- 金利は変動幅大(1〜5% 程度)
- 審査は個別
- 世帯年収上限は緩め
- 借入限度額は銀行により異なる
使い分けの目安
- 国の教育ローン(対象なら第一候補、金利低め)
- JASSO 奨学金(子への負担も考慮)
- 民間の教育ローン(不足分の追加、対象外の場合)
家計への影響
月々の返済負担
- 350 万円 × 15 年 = 月々約 24,000 円
- 教育費ピーク期に家計固定費として増加
- 老後資金への影響
卒業後の残債
- 大学卒業時点でまだ返済中の場合が多い
- 下の子の教育費と重なる可能性
- 詳細は 教育費ピークの家計管理
保護者の心構え
- 借入は借金の認識
- 返済計画を家族で共有
- 老後資金とのバランス
- 子どもへの説明(家計状況)
教育ローンを使わないための備え
事前の資金準備
- 学資保険での積立
- 新 NISAでの運用
- ジュニア NISA(新制度は変更)
- 詳細は 学資保険 vs つみたてNISA、大学資金の準備法
家計の見直し
- 家計の固定費削減
- 貯蓄率の向上
- 早期からの教育資金の別枠貯蓄
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特殊なケース
母子・父子家庭
- 金利の優遇
- 返済期間の延長
- 保証料の軽減
交通遺児家庭
- 金利の優遇
- 返済期間の延長
世帯年収低所得
- 金利の優遇
- 返済猶予
一括融資のタイミング
- 合格発表前の予約申込可能
- 入学手続きに間に合う日程で
- 書類準備を早めに
保証について
- 通常は保証人が必要(配偶者・親族)
- 公益財団法人 教育資金融資保証基金の保証も利用可能(保証料あり)
給付型奨学金との関係
- 給付型を優先(返済不要)
- 給付型対象なら教育ローンは必要ないケースも
- 詳細は 給付型奨学金・授業料免除の条件
よくある失敗
失敗1:借入額を高く設定しすぎる
「上限まで借りておく」で借りると、返済期間が長引き家計を圧迫。必要最小限を。
失敗2:返済シミュレーションをしない
月々の返済額を試算せず借入 → 家計破綻リスク。公庫のシミュレーターで必ず試算を。
失敗3:奨学金との使い分けを考えない
教育ローンと奨学金は目的が違う。使い分けの検討を。
失敗4:申込を遅らせて融資が間に合わない
入学手続きに間に合わないと入学不可のリスク。合格発表前の予約申込を活用。
失敗5:老後資金を犠牲にする
親の老後資金を犠牲にすると、後で子に負担が回るリスク。バランスを。
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ご注意:本記事は 2026 年 7 月時点の国の教育ローン(日本政策金融公庫)の一般的な情報です。金利・借入限度額・世帯年収上限・返済期間は年度で変更されます。実際の借入は必ず日本政策金融公庫の公式サイトで最新の情報と、公庫のシミュレーターで正確な試算をご確認ください。
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