奨学金の選び方|給付型・JASSO第一種/第二種と返済の現実
2026年5月25日 ・ 教育費・制度

大学進学時に奨学金の利用を検討する家庭は多いですが、「給付型」「第一種」「第二種」の違いをきちんと理解した上で選べているかどうかは別の話です。貸与型は卒業後に本人が返済する「借金」 であり、借りすぎれば社会人スタートを重い負担で迎えることになります。本記事では奨学金の種類・選び方・申込のポイント・返済の現実を整理します。
奨学金の全体像
奨学金には大きく「返済不要の給付型」と「返済が必要な貸与型」の2種類があります。さらに運営主体によって日本学生支援機構(JASSO)、大学独自、自治体、民間に分けられます。
| 種別 | 返済 | 主な運営主体 |
|---|---|---|
| 給付型 | 不要 | JASSO(修学支援新制度)・大学独自・民間 |
| 貸与型 第一種 | 必要(無利子) | JASSO |
| 貸与型 第二種 | 必要(有利子・上限年3%) | JASSO |
| 大学独自奨学金 | 不要または必要 | 各大学 |
| 自治体奨学金 | 自治体による | 都道府県・市区町村 |
| 民間奨学金 | 不要が多い | あしなが育英会等 |
給付型奨学金(返済不要)の概要
最も優先して検討すべきは、返済不要の給付型奨学金です。
高等教育の修学支援新制度(文部科学省・JASSO)は、授業料・入学金の減免と給付奨学金がセットになった制度です。対象は住民税非課税世帯を中心に、一定の中間層まで段階的に支援が受けられます。
- 第I区分(住民税非課税世帯): 授業料・入学金を全額免除+給付奨学金満額
- 第II・III区分(一定の中間層): それぞれ3分の2・3分の1の支援
- 多子世帯(扶養する子3人以上)の特例: 2025年度から所得制限なしで授業料・入学金を一定額まで無償化。私立大学は授業料年70万円・入学金26万円を上限、国公立大学は標準額が対象。2025年度は在学採用のみ対応、2026年度からは予約採用も可能。年収約600万円までの多子世帯は給付型奨学金の満額の4分の1も支給される。
給付型は「もらえるお金」なので、まず自分が対象になるかを確認することが大原則です。
JASSO貸与型:第一種と第二種の違い
JASSOの貸与型奨学金は、無利子の「第一種」と有利子の「第二種」に分かれます。
第一種(無利子)
- 利子がかからないため、借りた金額がそのまま返済総額になる
- 採用基準が厳しく、学力・家計基準の両方で審査される
- 月額の貸与額に上限がある(自宅・自宅外、学校種別で異なる)
第二種(有利子)
- 在学中は無利子、卒業後に利子(上限年3%)が付く
- 第一種より採用基準がやや広い
- 月額の選択肢が多く、必要に応じて増額しやすい
借入総額が大きいほど返済月額・返済期間が増えます。第二種は利子が上乗せされる分、総返済額はさらに増加します。将来の返済負担を意識して「借りすぎない」ことが重要です。
大学独自・自治体・民間の奨学金
JASSOだけが奨学金ではありません。大学独自や民間の奨学金は返済不要のものも多く、積極的に情報収集する価値があります。
- 大学独自の特待生・授業料減免: 入試成績や在学中の成績に基づき授業料の一部または全額を免除する制度。大学のホームページや入試要項で確認できます。
- 自治体の奨学金: 都道府県や市区町村が独自に設けている制度で、地元出身者・居住者を対象にしたものが多い。
- 民間奨学金: あしなが育英会(遺児向け)、ロータリー財団、企業財団など。返済不要のものが多く、大学入学前後に募集情報を確認する。
申込のタイミング:予約採用と在学採用
奨学金の申込には「予約採用」と「在学採用」の2つのタイミングがあります。
- 予約採用(高校3年生時): 進学前に申込・採用内定を受ける。高校を通じて手続きするため、高校3年の春〜夏の時期に情報を集め始めることが大切。
- 在学採用(進学後): 大学入学後に申込む。採用時期は各大学の窓口に確認。
できるだけ予約採用で進めておくと、進学直後から安心して利用できます。
返済の現実と「借りすぎ」リスク
貸与型奨学金は、あくまでも「将来の自分が返す借金」です。卒業後の収入見込みと借入総額のバランスを、在学中から意識しておくことが重要です。
| 考え方 | ポイント |
|---|---|
| 優先順位 | 給付型 → 第一種(無利子)→ 第二種(有利子)の順で検討 |
| 借入額の目安 | 卒業後の手取り月収に対して返済月額が重くなりすぎないよう意識 |
| 第二種の使い方 | 給付型・第一種で不足する分を補う「差額補填」として考える |
| 途中変更 | 貸与額は在学中に増額・減額・停止の変更が可能(JASSO) |
借入総額が増えるほど、卒業後の返済期間も長くなります。「とりあえず多めに借りておく」という発想は、社会人になってから長年の負担につながります。
まとめ
- 奨学金の第一歩は「給付型の対象かどうか」の確認。返済不要の制度を最大限に使う。
- 貸与型を利用するなら、無利子の第一種を優先し、第二種は不足分を補う程度に留める。
- 多子世帯は2025年度からの無償化特例も含めて公的支援を確認する。
- 申込は高校3年での「予約採用」が最もスムーズ。情報収集は早めに。
- 貸与型は「借金」であることを本人・家庭で認識した上で借入額を決める。