高校無償化2026完全ガイド|就学支援金と私立授業料の実質負担

2026年5月25日 ・ 教育費・制度

高校の教室と黒板

2026年4月から、いよいよ私立高校の授業料も所得制限なしで実質無償化が始まりました。「高校の費用は無料になった」と聞いて安心した方も多いかもしれませんが、実際に「無償化」されるのは授業料のみです。入学金・制服・修学旅行・通学定期・塾代などは引き続き家庭負担となります。本記事では、高等学校等就学支援金の制度の変遷を整理し、2026年度時点での実質負担をわかりやすく解説します。

高等学校等就学支援金とは

高等学校等就学支援金は、高校等の授業料に充てるために国が支給する制度です(学校設置者が代理受領し、授業料と相殺する仕組みです)。2010年度に「高校無償化」として導入され、その後制度改正を経て現在に至ります。

対象は公立・私立を問わず、高等学校・中等教育学校後期課程・高等専門学校・専修学校高等課程などに在籍する生徒です。

制度の変遷:2024年度まで

2024年度までの就学支援金は、以下の通り世帯年収による所得制限が設けられていました。

区分世帯年収の目安支給額(年)
公立高校(全世帯)約910万円未満11万8,800円(公立授業料相当)
私立高校(基準額)約910万円未満11万8,800円
私立高校(基準額+私立加算)約590万円未満最大39万6,000円
約910万円以上支給なし0円

公立高校は授業料相当額が支給されるため、年収910万円未満の家庭では実質無料でした。一方、私立高校は学校によって授業料が異なり、支給額(最大39.6万円)を超える部分は家庭負担となっていました。

2025年度の変更:所得制限の実質撤廃

2025年度から制度が大きく変わりました。所得制限が実質撤廃され、世帯年収に関わらず全世帯に国公私立共通の基準額(年11万8,800円)が支給されるようになりました。

年収約910万円以上の世帯には、これまで支給されていなかった基準額分を補うために**「高校生等臨時支援金」**が新設・併用されています。

ただし、2025年度時点では私立高校への所得別加算(年収約590万円未満で最大39.6万円)は所得制限が残っています。私立高校の授業料が高い場合、年収590万円以上の世帯では基準額11.88万円のみの支給となるため、私立授業料との差額は家庭負担となります。

2026年4月〜:私立高校も実質無償化

2026年4月から就学支援金が大幅に拡充されました。国の就学支援金の上限額が引き上げられ、私立高校においても所得制限なしで実質無償化となります。

区分2025年度2026年度〜
公立高校(全世帯)年11万8,800円年11万8,800円(変わらず)
私立高校(全世帯)年11万8,800円(基準額のみ)45万7,200円(上限)
私立加算(年収590万未満)最大39万6,000円統合・拡充

私立高校の就学支援金上限が年45万7,200円(月換算で約3.8万円)となり、多くの私立高校で授業料が実質ゼロとなります。学校の授業料が45.72万円を超える場合は、超過分が家庭負担となる点に注意が必要です。

先行していた自治体

東京都・大阪府などは国に先行して独自に所得制限を撤廃し、都内・府内の私立高校の授業料無償化(独自補助との組み合わせ)を実現していました。2026年度からは国の制度が追いつき、全国規模での実質無償化となります。

無償化の対象外費用に注意

無償化で「授業料」は実質ゼロになりますが、高校に通う費用はそれだけではありません。以下の費用は就学支援金の対象外であり、引き続き家庭が負担します。

費用項目目安補足
入学金公立:数千円〜数万円、私立:10〜30万円入学時のみ
制服・指定品3〜10万円入学時に一括購入
教科書・教材費年1〜3万円学校・学年による
修学旅行積立年2〜5万円海外の場合さらに高額
PTA会費・諸会費年数千円〜1万円程度学校による
通学定期・交通費年数万円〜距離・交通手段による
塾・予備校年20〜100万円大学受験に向けて増加

授業料が無料になっても、私立高校への進学では入学金・制服・施設費などで初年度に数十万円の追加負担が発生するケースがあります。

申請の流れ

就学支援金は自動的に支給されるわけではなく、申請が必要です。

  1. 高校入学時に学校からの案内に従い、マイナンバーを活用した所得情報の提供に同意する
  2. 学校が都道府県を通じて申請・受給手続きを行う
  3. 原則として毎年(7月頃)に収入確認が行われる

手続きは学校側が主体となって進めるため、案内をよく読んで必要書類を期限内に提出することが大切です。

就学支援金以外の支援制度

就学支援金に加えて、各都道府県や市区町村が独自の授業料補助・奨学金制度を設けている場合があります。また、国の高校生等奨学給付金(授業料以外の教育費を支援する給付型奨学金)も低所得世帯向けに別途あります。お住まいの都道府県の教育委員会や学校の窓口に確認してみてください。

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