育休給付金の計算と落とし穴|180日・67%・50%の境界
2026年5月8日 ・ 復職後の備え

育児休業給付金は 180 日を境に 67% → 50% に下がります。これに加えて社会保険料免除を考慮すると、手取りベースでは「給付金 50% でも実質 60%」 になることも。本記事では、給付金の計算式・上限・落とし穴を解説します。
計算式の基本
育休給付金 = 賃金日額 × 支給日数 × 給付率
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 賃金日額 | 育休開始前 6 ヶ月の合計給与 ÷ 180 |
| 支給日数 | 1 ヶ月単位 (30 日) |
| 給付率 | 1〜180 日目 67%、181 日目以降 50% |
賃金日額の計算具体例
月給 30 万円 (賞与なし) のケース
賃金日額 = 30万 × 6ヶ月 ÷ 180日 = 10,000円/日
| 期間 | 日額 | 月給付額 |
|---|---|---|
| 1〜180 日目 | 10,000 × 67% = 6,700 円 | 約 20.1 万円 |
| 181 日目以降 | 10,000 × 50% = 5,000 円 | 約 15 万円 |
月給 50 万円 (賞与年 100 万円) のケース
賃金日額 = (50万 × 6ヶ月) ÷ 180日 = 16,667円/日
ただし上限額があります。
給付金の上限
| 給付率 | 日額上限 | 月額上限 |
|---|---|---|
| 67% | 15,690 円 | 約 47 万円 |
| 50% | 11,710 円 | 約 35 万円 |
(2024 年 8 月時点。毎年 8 月改定)
月給 70 万円以上の人は上限に頭打ちされ、実質給付率が 67% より低く なります。
社会保険料免除の効果
育休中は 健康保険料・厚生年金保険料が全額免除 されます (会社負担分含めて)。これにより、額面給付額より手取りが目減りしないように見えます。
月給 30 万円のケースの手取り比較
| 状況 | 額面 | 社会保険料 | 所得税 | 住民税 (前年) | 手取り |
|---|---|---|---|---|---|
| 通常勤務 | 30 万円 | -45,000 | -7,000 | -16,000 | 232,000 円 |
| 育休 1〜180 日 | 201,000 円 | 0 | 0 (非課税) | -16,000 | 185,000 円 |
| 育休 181 日〜 | 150,000 円 | 0 | 0 (非課税) | -16,000 | 134,000 円 |
(住民税は前年所得ベースで継続発生、注意)
育休中の手取り 80% を実現する条件
「育休給付金の手取りは通常時の 80%」 と言われるのは 賃金 25〜35 万円のレンジ で給付率 67% かつ住民税の発生がない or 少ないケース。
| 月給 | 給付率 67% 期 | 給付率 50% 期 |
|---|---|---|
| 25 万 | 手取り比 78% | 手取り比 58% |
| 35 万 | 手取り比 75% | 手取り比 55% |
| 50 万 | 手取り比 65% | 手取り比 48% |
| 70 万 (上限) | 手取り比 55% | 手取り比 40% |
落とし穴 1: 産休 + 育休の手当の違い
| 期間 | 手当 | 計算式 | 給付率 |
|---|---|---|---|
| 産前 6 週 + 産後 8 週 | 出産手当金 | 標準報酬月額 × 2/3 × 14 週 | 約 67% (健康保険) |
| 産後 8 週 + 1 ヶ月 〜 | 育児休業給付金 | 賃金日額 × 67% (50%) | 67% / 50% |
産後 8 週は両方の対象ですが、出産手当金優先 (健康保険から)。育休給付金は産後 8 週後から発生。
落とし穴 2: 年末調整・確定申告
- 育休給付金は 非課税 (所得税・住民税ともにかからない)
- 翌年の住民税は前年の課税所得から計算 → 育休 1 年は所得が少なく、翌年の住民税は安い
- 翌々年の住民税が極端に安くなる、というメリットあり
復職後の住民税推移例
| 年 | 状況 | 住民税月額 |
|---|---|---|
| 2024 (フル勤務) | 通常 | 16,000 円 |
| 2025 (育休 1 年) | 育休給付金のみ | 16,000 円 (前年所得ベース) |
| 2026 (育休 + 復職半年) | 半年勤務 | 4,000 円 (大幅減) |
| 2027 (フル勤務復活) | 通常 | 8,000 円 (徐々に復活) |
| 2028 (フル 1 年) | 通常 | 16,000 円 |
落とし穴 3: 育休延長時の給付率
育休延長 (1 歳 → 1 歳半 → 2 歳) は 給付率 50% 継続。延長分も非課税で社会保険免除あり。
延長要件: 「保育所申込み不承諾」 の証明が必須。
落とし穴 4: 退職前提の育休は給付されない
「育休後に退職予定」 と申請段階で明らかになっていると、給付対象外になります。
- 「復職予定」 で申請 → 育休後に退職を決断 → 既受給分は返還不要
- 申請時点で退職意思があるとバレる → 給付不支給
復職後の年収シミュレーション
復職後の働き方 (時短 vs フルタイム) で年収・手取りがどう変わるかは、復職後の年収シミュレーション も参照ください。
男性の育休も給付金は同じ仕組みです。詳細は 男性育休の取り方完全ガイド で解説しています。
地域ごとの保育園情報は 子育てマップ でまとめて確認できます。
画像: 配色テーマで生成したプレースホルダ (Unsplash CC0 へ後続差替予定)
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