子育て世帯の生命保険の選び方|共済 vs 民間

2026年5月8日 ・ 家計

書類とペンが並ぶデスク

子どもが生まれると生命保険を勧められる場面が増えますが、過剰契約は 月 5 万円超 の家計圧迫要因に。本記事では、必要保障額の試算法と、共済 vs 民間 の選び方、夫婦別の最適バランスを解説します。

まずは必要保障額の試算

必要保障額の計算式

必要保障額 = 遺族の生活費 - (公的遺族年金 + 妻の収入 + 預貯金)

子育て家庭での具体例 (子 1 人、夫 35 歳、妻 32 歳の場合):

項目金額
遺族の年間生活費360 万円 (月 30 万)
必要年数 (子の自立まで)22 年
必要総額360 万 × 22 = 7,920 万
公的遺族年金約 100 万 / 年 × 22 = 2,200 万
妻の年間収入300 万 × 22 = 6,600 万
預貯金300 万
必要保障額7,920 - 2,200 - 6,600 - 300 = ▲ 1,180 万

つまり夫の収入が世帯収入の 50% 程度の場合、必要保障額は意外と少ない ケースが多いです。妻が完全専業主婦・夫の収入が世帯全部なら必要額は跳ね上がります。

公的遺族年金の理解

遺族基礎年金

子の 18 歳到達年度末まで。子 1 人で月 7〜10 万円。

遺族厚生年金

会社員 / 公務員の遺族。亡くなった人の標準報酬月額 × 在職年数 × 給付率。

遺族年金概算 (子 1 人、夫が会社員、月給 40 万のケース)

給付月額
遺族基礎年金約 8 万
遺族厚生年金約 9 万
児童扶養手当 (ひとり親)約 4 万
合計約 21 万

公的支援だけでも月 20 万円は確保できます。

共済の特徴

主要共済 (4 種)

共済月額死亡保障特徴
都道府県民共済2,0001,000 万加入条件緩い、シンプル
こくみん共済 (全労済)1,800800 万火災 / 自動車も組合せ可
JA 共済4,0001,500 万農協系、地方で強い
コープ共済1,500600 万生協組合員のみ

共済のメリット

  • 安い (月 2,000〜4,000 円)
  • 加入手続き簡単 (告知のみ、医師診断なし)
  • 割戻金 (年 10〜30%) で実質コスト下がる
  • 子供版もあり、子の医療共済として活用可

共済のデメリット

  • 保障期間が 60 歳〜70 歳まで で打ち切り
  • 高額保障 (3,000 万円以上) は不可
  • 終身保障できない
  • 病気の重症化への対応が薄い

民間生命保険の特徴

主要種別 (4 種)

種類月額 (35 歳男・1,000万・10年)特徴
定期保険1,500〜2,500 円期間限定、安い
収入保障保険1,800〜2,800 円期間中の月額給付、コスパ良
終身保険12,000〜18,000 円一生保障、高額
養老保険15,000〜25,000 円満期時に給付、貯蓄性

民間のメリット

  • 高額保障 (3,000 万円〜) 可能
  • 終身保障可能
  • 商品多様、ニーズに合わせ選択
  • 加入後の見直しが柔軟

民間のデメリット

  • 月 5,000 円以上の月額負担
  • 営業手数料が高い (掛け捨ても貯蓄もコスト割高)
  • 営業マンの提案には注意 (本人最適化されてない)

おすすめの組み合わせ

パターン A: 共済 1 つでミニマム (月 2,000 円)

  • 都道府県民共済 1,000 万円
  • 公的遺族年金で大半カバー
  • 残りは預貯金 + 妻の収入で対応

子も小学生以上で、世帯がしっかり貯蓄してる場合に向く。

パターン B: 共済 + 収入保障保険 (月 4,500 円)

  • 都道府県民共済 1,000 万円 (月 2,000)
  • 収入保障保険 月 15 万 × 20 年 (月 2,500)

子が小さい (0〜5 歳) 時期にバランス良い。

パターン C: 民間中心 (月 8,000 円〜)

  • 定期保険 3,000 万円 (月 3,000)
  • 収入保障保険 月 20 万 × 25 年 (月 3,500)
  • 終身保険 500 万 (月 5,000)

世帯収入の 80% 以上を夫が稼いでる場合の典型。

夫婦別の最適解

共働き (夫婦同程度の年収)

  • 夫: 共済 + 収入保障で月 4,000 円程度
  • 妻: 共済のみで月 2,000 円程度
  • 合計: 月 6,000 円

片働き (夫が大半を稼ぐ)

  • 夫: 共済 + 収入保障 + 終身 で月 7,000〜10,000 円
  • 妻: 共済のみで月 2,000 円
  • 合計: 月 10,000 円

共働き高年収 (世帯 1,500 万以上)

  • 夫: 共済 + 収入保障で月 5,000 円
  • 妻: 共済 + 収入保障で月 4,000 円
  • 合計: 月 9,000 円

子の医療保障

子の医療費は 自治体の医療費助成 でほとんど無料 (中学生まで・18 歳までの自治体多数)。子供医療保険は基本不要です。

自治体子の医療費自己負担
東京 23 区 (子供医療費助成)0 円 (中学生まで)
大阪市0 円 (中学生まで)
多くの政令市0 円 (小学生まで)
一部自治体1 回 200〜500 円のみ

子の入院 = 保険対応より、親の付添入院費 (個室代等) をカバーする方が現実的。

学資保険・終身保険を「貯蓄替わり」 に使うリスク

「学資保険で 200 万円積み立てて、戻り 220 万円」 という商品 = 利回り 1〜2% / 年。

これに対して 新 NISA で同じ 200 万円積み立て、利回り 5% で 18 年複利 → 480 万円

学資保険の利回りはインデックス投資の 1/2〜1/3。詳細は 学資保険 vs つみたて NISA または 新 NISA で学費準備 を参照。

見直しタイミング

イベント見直し内容
子が生まれた必要保障額計算、初契約
第 2 子出産必要保障額再計算
子の小学校入学教育費前借りで保障減らす検討
配偶者の年収変化必要保障額計算
住宅ローン契約団信加入で死亡保障重複削減

住宅ローンの団信は 死亡保障付き なので、住宅購入後は生命保険を減額できます。詳細は 子育て世帯の住宅ローン を参照。

画像: 配色テーマで生成したプレースホルダ (Unsplash CC0 へ後続差替予定)

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